

病気やけがなどを経験し、これまで当たり前のようにできていたことが、突然難しくなることがあります。
料理をすること、食事をすること、着替えること、掃除をすること、身の回りを整えること。
私自身も右手と右足が使いにくい生活を送る中で、日常にある一つひとつの動作に、さまざまな工夫が必要だと感じています。
今回ご紹介する「かたテク研究所」は、病気やけがなどによって片手が使いにくくなった方へ向けて、片手でできる生活の工夫や実践的なテクニック、便利な福祉用具、アイデアグッズなどを発信・研究されている活動です。
生まれつき片手を使うことが難しい方、病気やけがの後遺症によって片手が動かしにくくなった方、手術などによって片手を失った方など、置かれている状況や生活の中で感じる不便は一人ひとり異なります。
かたテク研究所では、さまざまな方の経験や知恵を集めながら、「片手でも、どうすればできるだろう」と考え、毎日の暮らしに役立つ工夫を分かりやすく届けています。
活動の大切なテーマは、「自活」。
この言葉には、単に「誰かの手を借りずに一人で生活する」という意味だけではなく、「自分を活かす」ことと「自分で生活する」ことという、二つの思いが込められています。
今までできていたことが難しくなると、「もう自分にはできない」「誰かにお願いするしかない」と、諦めてしまうこともあります。
もちろん、誰かに助けてもらうことは決して悪いことではありません。しかし、少し道具を変えたり、物の置き方や体の動かし方を工夫したりすることで、自分の力でできることもあります。
その一つの「できた」が自信となり、暮らしの楽しさや、次の一歩へ踏み出す力につながることがあります。
かたテク研究所では、暮らしの中にある「困った」に向き合いながら、さまざまな情報を届けています。
💡 諦めていた趣味や仕事、社会参加に、もう一度挑戦するための工夫
💡 調理・食事・着替え・掃除など、日常生活の動作を片手で行うための実践的なテクニック
💡 瓶のふたを開ける、コンセントを抜く、卵を割る、玉ねぎを切るなど、身近な生活動作の方法
💡 市販されている便利グッズの、片手での活用方法
💡 片手でも扱いやすい自助具や福祉用具、アイデアグッズの紹介
💡 実際に片手で試してみることで分かる、使いやすさや工夫のポイント
ただ商品を紹介するだけではなく、「この道具をどのように使えば、片手でも生活に取り入れられるのか」というところまで、実際の動作を交えながら分かりやすく発信されています。
これまでには、脳卒中フェスティバルの「リハビリマッチング」にも出展されました。
会場では、片手でできる生活テクニックや便利な道具を紹介するブースを展開し、それまでに集められた工夫や道具の使い方を実演。
「片手でできるかな?」という日常の疑問に対して、実際の動きや道具を見ながら体験できる機会を届けられました。
自分と同じような状況にある方が、どのような工夫をしているのか。
どのような道具を使えば、今まで難しかったことができるようになるのか。
文章や写真だけでは分かりにくいことも、実際に目の前で見たり、試したりすることで、「これなら私にもできるかもしれない」という新しい気づきにつながります。
また、かたテク研究所では、一方的に情報を届けるだけではなく、それぞれが持っている経験や知恵を集め、共有していくことも大切にされています。
同じ「片手での生活」であっても、困っていることや体の状態、生活環境は一人ひとり違います。
誰かにとって当たり前の工夫が、別の誰かにとっては、生活を大きく変えるきっかけになることもあります。
将来的には、ウェブサイトやアプリを通じて、片手で生活するためのテクニックや道具の情報を、誰もがいつでも、どこからでも共有できる仕組みづくりも目指されています。
毎日の暮らしの中にある「できない」を、さまざまな工夫によって「できるかもしれない」へ。
そして、その「できるかもしれない」を、一つずつ実際の「できた」へ変えていく。
かたテク研究所は、片手で生活されているご本人はもちろん、ご家族や友人、医療・福祉・リハビリに携わる方々にも、ぜひ知っていただきたい活動です。
DARESHiMOGAでも、こうした暮らしに寄り添う活動や、誰かの「やってみたい」を支える取り組みを、これからも大切にご紹介していきたいと思います。
ぜひ、かたテク研究所の発信をご覧ください。
