「親には親の人生、子どもには子どもの人生がある」―社会調律家・加藤さくらさんが広げる、自由に生きる選択肢

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無人島 マコと旅

「障害があっても、人生はもっと自由に面白く。」社会調律家・加藤さくらさん

今回DARESHiMOGAがご紹介するのは、社会調律家として活動する加藤さくらさんです。
さくらさんが大切にしているのは、「親には親の人生、子どもには子どもの人生がある」という思いです。
さくらさんの娘の真心さんには、進行性の病気があります。そのことが分かったとき、さくらさんもご家族も、先の見えない不安を抱えました。今は、同じように不安を感じている親御さんが、ひとりで悩み続けなくていい社会を目指し、仲間とともに活動しています。
子どものことを大切にしながら、親も自分の好きなことや、やってみたいことを大切にする。子どもにも、子ども自身の願いや人生がある。さくらさんの活動には、その両方を大切にしたいという思いが通っています。

社会調律家
社会の中で生じている不和やズレ、障害や生きづらさなどを「楽器の調律(チューニング)」のように微調整し、誰もが自分らしく生きられる社会の形をつくっていく独自の肩書・役割のことです。
この肩書は、重度の障害がある娘を育てる活動家・作家の加藤さくら氏が、自身の活動を応援する人から贈られて使い始めたものです。

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「食べる」を、もっと楽しい時間に

さくらさんが共同代表を務める一般社団法人mogmog engineは、摂食嚥下障害がある子どもと家族のコミュニティ「スナック都ろ美」を運営しています。
食べ物を噛んだり、飲み込んだりすることに難しさがあると、毎日の食事には一人ひとりに合った工夫が必要です。外食先で食べられるメニューが見つからず、食事を家から持っていくこともあります。「家族や友人と一緒に食べたい」という思いがあっても、出かける前から準備や心配が重なる場合があります。
スナック都ろ美は、そんな食事の悩みや工夫を、本人や家族が共有できるコミュニティです。「スナック」という名前ですが、実店舗ではなく、主にオンラインで集まります。食事について話したり、レシピや情報を交換したり、イベントや商品づくりに参加したり。ひとりで抱え込まず、仲間とつながれる場所です。
食べ方が違っても、食事を楽しみたい気持ちは同じです。さくらさんたちは、子どもや家族の声を届けながら、外食や食品づくりにも取り組んでいます。
「食べられるものがある」だけでなく、「これを食べたい」と選べる機会を広げようとしています。

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無人島 まこ抱っこするさくら

親も、自分の人生を楽しんでいい

さくらさんが主宰するオンラインサロン「LIVE MY LIFE」は、重度の障害がある子の親が自分の人生を生き、親も子も幸せな子離れ・親離れをすることを目的としています。
子どもを大切に思うことと、親が自分の人生を楽しむこと。さくらさんは、その両方を大切にしています。
親にも、行ってみたい場所があります。会いたい人がいて、挑戦してみたいことがあります。そして子どもにも、その子自身の好きなものや、やってみたいことがあります。親と子がそれぞれの思いを持ち、それぞれの人生を歩んでいけること。そのための選択肢を増やすことも、さくらさんの活動の大きな柱です。

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「無人島に行きたい」から始まった冒険

さくらさんと娘の真心さんは、ドキュメンタリー映画『Return to My Blue』にも出演しています。
映画が描くのは、医療的ケアが必要な子どもたちと家族が、沖縄の無人島への旅に挑む姿です。中心となるのは、人工呼吸器を使う少年・壮眞さん。「無人島に冒険に行きたい」という願いに、家族や医師、ボランティアの人たちが向き合い、協力して旅を実現していきます。
無人島へ行くには、体調のことや必要な機器のことなど、考えなければならないことがあります。それでも、壮眞さんの「行きたい」を出発点に、一緒に方法を探す人たちがいる。映画に映るその冒険から、さくらさんが大切にしている思いも伝わってきます。

奄美大島 家族旅

『Return to My Blue』(リターン・トゥ・マイ・ブルー)
人工呼吸器を使う少年と母親が、沖縄の無人島への冒険に挑む姿を追った、約39分のドキュメンタリー映画です。監督は野口雄大さん。加藤さくらさんと娘の真心さん、ご家族も出演しています。
物語の中心となるのは、医療的ケアが必要な少年・吉原壮眞さんと、母の純代さんです。壮眞さんの願いは「無人島に冒険に行きたい」。しかし、日々の生活に電気や医療が欠かせない壮眞さんにとって、電気も水もない無人島へ行くには、いくつもの課題がありました。最初は参加が難しいと考えていた医師も、その願いに向き合い、自ら旅に同行することを決めます。
旅の準備では、船での移動や緊急時の対応など、命に関わる具体的な問題も話し合われました。医師やボランティアが協力し、必要な支えを考えながら、親子は無人島へと向かいます。映画には、壮眞さんが母親に抱かれて海に入り、笑顔を見せる瞬間も収められています。野口監督にとって、その姿は、この映画を届けたいと思う大きな原動力になりました。
タイトルの「My Blue」は、海の青さだけでなく、一人ひとりの心の中にある大切なものや、純粋な気持ちにも重ねられています。監督は、映画を観た人が、それぞれの心の“Blue”に戻れることを願っています。冒険する親子や支える人たちの姿を通して、自分にとっての喜びや「やってみたい」を考えさせてくれる作品、と受け取れます。
さくらさんの紹介記事とつなげるなら、子ども自身の願いを出発点に、周りの人が一緒に実現する方法を考える姿が大切なところです。「親には親の人生、子どもには子どもの人生がある」という思いを、実際の冒険を通して感じられる映画として紹介できます。

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まこ車いすキッズフェスタ

自身の経験を、誰かの希望へ

さくらさんの著書『障害のある子が生まれても。』(A-WORKS)には、娘の真心さんの病気を知ったときの思いから、人との出会いに支えられ、社会へ働きかけるようになるまでが綴られています。書名には、「障害のある子が生まれても、誰も絶望を抱え続けなくていい世の中にしたい」という、さくらさんの思いと取り組みが込められています。
さくらさんが本を通して届けたいのは、同じような不安を抱える親御さんへの希望です。心配なことをひとりで抱えず、人とつながっていい。親子で、今の時間を楽しんでいい。ご自身の経験を振り返りながら、その思いを言葉にしています。
ブログ「えがおの宝物」でも、ご家族との日々や活動について発信しています。うれしかったことも、心配したことも、そのとき考えたことも。さくらさん自身の言葉で、その歩みに触れることができます。

『障害のある子が生まれても。』

加藤さくら 著/A-WORKS

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「やってみたい」を、仲間と形に

食事を楽しみたい。旅に出たい。新しいことに挑戦したい。親も子も、自分の人生を大切にしたい。
さくらさんは、そんな一つひとつの思いに目を向け、仲間とともに活動しています。食事について話せる場所をつくることも、親が自分の人生を考えることも、子どもの「行きたい」を支えることも、すべては日々の選択肢を広げることにつながっています。
「障害があっても、人生はもっと自由に面白く。」

DARESHiMOGAも、一人ひとりの「やってみたい」が大切にされる社会を、さくらさんの活動を通して考えていきたいと思います。そして誰もが「これでいい」ではなく、「これがいい」と思えるものや生き方に出会えることを願っています。

まこさくら
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